東日本大震災から今日で丸一年。
あっという間の一年か、やっと一年たったのかはそれぞれに。
さて今日は一つ漫画のご紹介です。
しりあがり寿(ことぶき) さんの
『あの日からのマンガ』という作品です。
先日東京で開かれていた文化庁主催の
「文化庁メディア芸術祭」に行って参りまして
http://plaza.bunka.go.jp/festival/
この作品が受賞されたので展示が行われていました。
多くのアーティストが、震災により芸術の無力感にさいなまれ、
何も作れない・描けない・唄えない時に
『たとえ間違っているとしても、今描こう』という強い思いで
震災三日後の3月14日から朝日新聞で四コマ連載を再開しました、不謹慎と言われようとも。
内容は新聞を読む私たち同様、
被災しなかった地球防衛家のヒトビト(一般家庭の風景)の日々の不安・悩み・恐怖が
シニカルに、そしてユーモラスに描かれます。
以前よりこの作品自体は読んで知っていたのですが、
その展示のところに
震災時の怖かったのか、逃げていたのかまともに文字として読めなかった新聞が一緒に掲示されていました。
正直今見ても、直視できない内容でしたが
被災地からこの文章を書いた人・現地でこの写真を撮った人・
そして何より被災された多くの人人がいた
被災地の空気が伝わる質の高い展示でした。
あのときの途方もない無力感のあとに沸き起こった
「何でもいい。できることがあるのなら何でもしよう」
という前向きな気持ちに日本中がなったあの空気感を
世界中から評価された、震災時の一般市民の驚異的な対応を
(※原発云々の政府対応は除く)
思い出せば、もう少し頑張れる気になる。
それを思い出させてくれた漫画でした。
一年経ちました。
この一年、私たちは何をしてきたでしょう?
次の一年、これから何ができるでしょう?
その気になれば何にでも挑戦できる可能性があるかもしれません。
もしかしたら大それたことはできないかもしれません。
でも気にかけなくなったら終わりです。
瓦礫の処理・放射能・電力・復興…まだまだ山積みのままの問題が残っています。
解決への早道は、それぞれがぞれぞれに日日粛粛と。
というのが私は一番だと思っています。
最後に、亡くなられた多くの方に冥福をお祈りいたします。